近年、耳にする ー線状降水帯ー
線状降水帯とは
「線状降水帯」この言葉は異常気象によりここ数年で聞くようになりました。
線状降水帯とは、次々と発生する積乱雲が列をなし、同じ場所を通過または停滞することで、線状に伸びた地域に大雨を降らせるものです。
2014年に広島県で発生した集中豪雨から注目されるようになりました。集中豪雨の多くで線状の降水域が存在していることが、研究により明らかになっており、その発生予測の精度向上の研究も日々進められています。
気象庁の定義
気象庁では線状降水帯を次のように定義しています。
「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」
(出典:気象庁『降水』雨に関する用語)
過去の線状降水帯
令和7年6月、鹿児島県で発生した線状降水帯
現段階で最も最近に発生した線状降水帯は鹿児島県です。6月9日19時08分に線状降水帯の発生情報「顕著な大雨に関する気象情報」が大隅地方(鹿児島県)に発表されました。
鹿児島県では、梅雨前線に向かって南から暖かく湿った空気の流れ込み大気の状態が非常に不安定となっている状況で線状降水帯が発生しました。
被害状況
床下浸水3棟(肝付町)
(6月10日10時00分 鹿児島県災害対策課資料より)

(気象庁ホームページ)
平成27年9月、関東での線状降水帯
関東で最も被害が大きいと言われている線状降水帯です。台風第18号や前線の影響で、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨となりました。
鬼怒川の堤防決壊が発生したことによる家屋の流出等により、住宅の全壊 81 棟、半壊 7,045 棟、床上浸水 2,495 棟、床下浸水 13,159
棟の家屋被害となった。(2015年(平成27年) 関東・東北豪雨による災害)内閣府資料より
レーダー画像は、千葉県から茨城県、栃木県にかけてのびる線状降水帯です。
(出典:気象庁ホームページのレーダー画像)
平成26年8月、広島県で発生した線状降水帯
この被害から「線状降水帯」という言葉を聞くようになりました。8月20日、太平洋高気圧周辺部からの温かく湿った空気が日本海の前線に向かって流れ込んでいる状況のなかで線状降水帯が発生しました。
線状降水帯の発生した広島市では、線状降水帯による猛烈な雨により土砂災害が多発し多くの人命が失われました。
広島市での被害は、死者74名、重軽傷44名、全壊133棟、半壊122棟、床上浸水1116棟、床下浸水3080棟。
(平成26年8月広島豪雨災害調査報告書 2015年5月 資料より)

(気象庁ホームページ)
豪雨からの身を守るために
大雨が降る前、風が強くなる前に行いましょう。
家の外のソナエ
・窓や雨戸はしっかりとカギをかけ、必要に応じて補強する。
・側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておく。
・風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する。
家の中のソナエ
・非常用品の確認
懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池)、救急薬品、衣類、非常用食品、貴重品など
・室内からの安全対策
飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼ったり、万一の飛来物の飛び込みに備えてカーテンやブライン ドをおろしておく。
・水の確保
断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保する。
避難場所の確認
・学校や公民館など、避難場所として指定されている場所への避難経路を確認しておく。
・普段から家族で避難場所や連絡方法などを話し合っておく。
・避難するときは、持ち物を最小限にして、両手が使えるようにしておく。
大雨で警戒レベル4が発表されたら全員の避難が必要です。

まとめ
線状降水帯は積乱雲が帯状に連なり、同じ場所で大雨を降らせ続ける現象です。広島豪雨(2014年)以降注目され、予測精度向上の研究も進んでいます。
被害を防ぐには、家の内外でのソナエや避難場所の確認が重要です。警戒レベル4では全員避難を。普段から家族で避難方法を話し合いましょう。



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