豪雨や濃霧のときは視界より耳と鼻が頼り。崩れる直前の斜面は、必ず“音”と“におい”でヒントを出します。気づいた瞬間にその場から離れる準備を。
音のサイン:耳で聞く“崩れのプロローグ”
- パチパチ/コロコロ(小石の跳ね)
表土が剝がれ始める初期音。斜面下へ近づかない。 - ミシッ/バキッ(木や竹の裂け音)
根が引き抜かれる音=斜面全体の移動の合図。 - ゴーッ/ドドド(地下水・土砂流のうねり)
川が遠くにもう一本できたような低い連続音は急傾斜地で最警戒。 - ガタガタ(擁壁・ブロックの振動)
背後の土圧上昇。壁際から離れる。
覚え方:小石→木→うねり→壁の順で重症度アップ。
2) においのサイン:鼻で嗅ぐ“地面の変化”
- 泥土の強いにおい
表土が動き出し、細かい粒子が空気中に舞っている。マスク越しでも感じることあり。 - 湿った腐葉土のむっとする匂い
斜面内の空気が噴き出すサイン。湧き水・側溝の濁りも同時に要確認。 - 硫黄・鉄っぽい匂い
地下水の経路変化。用水路や谷筋から離れる。
3) “五感セット”で見る周辺の異変(補助チェック)
- 地面・道路:新しいひび割れ/段差/盛り上がり。
- 水の色:さっきまで透明→急に濁る。井戸や側溝も。
- 樹木・電柱:傾き/根元の盛り上がり。
- 崖・擁壁:湿った帯が広がる、排水穴から濁水。
4) “感じた瞬間”の行動フロー(60秒)
- 止まる:斜面直下・谷筋・沢床ならその場を離れる判断を最優先。
- 離れる:斜面と直角方向に移動→尾根側や建物の反対側へ。
- 知らせる:家族・近隣に短い宣言「音がする、離れる!」。
- 回避:擁壁そば/カーブ外側/土のう仮置き前は通過しない。
- 情報:安全圏に入ってから警戒レベル・雨量情報を確認。
NG:音の発生源を見に戻る/車で谷筋へ突っ込む/擁壁の下で雨宿り。
5) 夜間・濃霧の“路上”でのコツ
- 窓を少し開けて走ると音とにおいが取りやすい。
- ワイパー最速+対向車の泥はねが増えたら谷筋接近の合図。
- 停車は橋の中程・トンネル内など頭上・背後が守られた場所で。
6) よくある勘違いQ&A
Q. 音が小さいなら遠い?
A. NO。 濃霧や雨音で減衰して聞こえるだけのことも。小石音は**“始まりの合図”。
Q. においは主観だから当てにならない?
A. NO。 「いつもと違う匂い」を避難のトリガー**にして良い。
Q. 雨が弱まったら安全?
A. NO。 止み際に崩れるケースが多い(地下水が溜まるため)。
7) 箱型まとめ(保存版)
音:小石パチパチ/木がミシッ/低いうねり→離れる
匂:泥・腐葉土が強い→谷筋と擁壁を避ける
水:透明→急に濁る=経路変化
行動:斜面に直角へ退避→安全圏で情報確認
8) 1分ミニチェック(○×)
- 小石が跳ねる音は“初期サイン”なので、その場で少し様子を見るのが良い。→ ×(直ちに離れる準備)
- においの違和感は避難判断の引き金にしてよい。→ ○
- 崩落音の方向を確認するため谷筋へ向かうのが安全。→ ×



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