転倒は災害時の最大リスク。特に高齢者は「暗い・狭い・段差」の3点で速度が一気に落ちます。平常時の片付け設計と声かけ動線で、「迷わず・止まらず・安全に」玄関まで到達する家に変えましょう。
まずは“地図化”:平面図に青い通路を引く
- スタート:寝室のベッド脇→廊下→玄関までの最短ルートに、Uターン・直角曲がりを作らない。
- 幅:肩幅+10cmを目安(目標70cm以上)。床置き物は通路外へ。
- 停止点:靴・杖・補聴器・モバイルライト・非常持出袋を動線の右側にまとめる(右利き想定。左利きは逆)。
- 夜間動線:ベッド右手に足元ライト、左手に緊急呼び出し。
段差対策:つまずきゼロの3原則
- 段差は斜面化:玄関・敷居はゴムスロープで“ならす”。
- 床面は一素材:マット多用は危険。滑り止めシート+四隅固定。
- ケーブルは壁沿い:延長コードは壁面クリップで持ち上げる。
照明対策:停電でも見える足元光
- 足元LED:廊下と玄関に充電式の常夜灯(停電で自動点灯)。
- 誘導ライン:床の蓄光テープを通路端に。階段は先端に短冊状。
- 手元ライト:ベッド・トイレ・玄関に1本ずつ。電池と向きを揃えて配置。
手すり・つかまり:左右どちらでも掴める設計
- 連続手すり:寝室→廊下→玄関の内側に連続させ、途切れを作らない。
- 縦+横:玄関上り框は縦手すりで立ち上がり、横手すりで体を回す。
- 高さ:床から75–80cm目安。握り径は32–36mmで滑りにくい材質。
声かけ動線と役割分担:先導・背後・物資
- 先導役:前方2mを照らしながら段差・方向を宣言(例:「右曲がる→段差3cm→まっすぐ」)。
- 背後役:腰~肘を軽く支え、つまずき時に前屈→停止をコーチング。
- 物資役:玄関先で靴・杖・持出袋をセット、扉解錠と共用灯ON。
合図は短く統一:「止まる/右/左/段差」。
会話は質問より宣言(迷いを減らす)。
3段階の避難行動フロー(夜間・停電想定)
A. 起床(0–30秒)
- 片手でベッドフレーム、もう片手でライト。
- スリッパはつま先ガード型。眼鏡・補聴器を固定位置から。
B. 進行(30–120秒)
- 右手すり→廊下→玄関。曲がり角は先導役が先に曲がって照らす。
- 玄関の縦手すりで段差をクリア。
C. 退避(120–180秒)
- 外へ出たら段差のない場所へ2m移動。集合場所で点呼。
- 再入室は消防・自治体の許可後。
よくある勘違いQ&A
Q. 手すりは壁の片側だけで十分?
A. 片側だと反対側へふらついた時に無防備。可能なら両側が望ましい。
Q. 玄関に置き椅子は便利?
A. 動線を塞ぎやすい。椅子を置くなら壁付け&脚に滑り止め。
Q. マットはクッションになるから安全?
A. 縁につまずく。使うなら薄く大きい一枚で四隅固定。
箱型まとめ(保存版)
通路:肩幅+10cm/床置き物は通路外
段差:斜面化+一素材+配線は壁
照明:足元LED+蓄光ライン+手元ライト
手すり:連続・縦横併用・75–80cm
声かけ:先導・背後・物資の三役/宣言語で短く
1分ミニチェック(○×)
- 玄関に腰掛け用の椅子を通路中央に置くのは安全である。→ ×
- 上り框は縦手すりと横手すりを併用すると上がりやすい。→ ○
- 誘導ラインは階段の“踏面の中央”に貼るのがベストである。→ ×(先端に短冊状が有効)



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